東日本大震災の防災・減災・復興を学び
「住み続けられるまちづくり」を考える
フィールド・スタディーズ 宮城県名取市 閖上(ゆりあげ)~3.11を忘れない~

2022.03.15

看護学部・看護学研究科看護学科

  • 看護学部 看護学科

    山本 摂子

取り組みについて

本学では、学外学修プログラム「フィールド・スタディーズ」(必修科目)において、1年生2,000人以上が国内外各地を訪れ、フィールド・ワークや地域活性化支援等を実践し、自身の専門分野と社会とのつながりを体感する学外学修の授業に参加しています。

そのプログラムの1つとして「宮城県名取市(なとりし) 閖上(ゆりあげ)~3.11を忘れない~(以下、FSゆりあげ)」を実施しています。東日本大震災から学び、今後の防災・減災・復興の在り方を検討し、SDGs目標「11.住み続けられるまちづくり」を目指して、自分たちができることを考え実践するものです。

 

取り組みの経緯

FSゆりあげは、震災直後に本学学生が現地にてボランティアを行ったことが縁で始まり、「住み続けられるまちづくり」を体験から考え学ぶ歴史あるプログラムです。

2019年までは、現地に宿泊し共同生活する疑似避難体験を含む現地プログラムから学修していましたが、2020年度は新型コロナウイルス感染予防のため中止となりました。しかしこのような状況下でも学生の学修の機会を減らさないよう、オンラインを活用し学部学科を横断的に意見交換し、現地からのライブ中継を通して防災や復興を学べるプログラムに変更しました。

オンラインであっても学生たちがこのプログラムから学び、自学科での学びと関連付けて深め、社会人となった際に「住み続けられるまちづくりを」を目指して、『世界の幸せをカタチにする。』行動ができることを期待して実施しました。

2019年実施時の様子

 

取り組み内容について

FSゆりあげは、「事前学修授業」「学外学修授業」「事後学修授業」の3段階に分け、夏季休暇中5日間にわたり、実施しました。

 

◆事前学修授業

事前学修授業では、学生が班ごとに名取市の東日本大震災による被災と防災、復興について予習した内容を共有し、本プログラム期間中の班目標を設定しました。

 

◆学外学修授業

学外学修授業では、名取市からのライブ中継で被災を体験した方、防災対策を日々探求している方、被災・防災・復興を生活しながら体験している方など総勢7名の方の語りを聞きました。

「住み慣れたまちが見る影もなく変化する」「まちという形がなくなるだけでなく、人にも大きな変化が起こる」「まちと人の喪失は、人そのものを変えてしまう」等の被災経験を通しての語り、被災したまちに住み続けることをやめる人もいること、現地に住み続けている方への防災や復興の取り組み、行政がそのまちに住み続けている人々のために防災、復興に尽力している現状等の語りがありました。

 

 

◆事後学修授業

「事後学修授業」では、オンライン授業から深めた学びを持ち寄った学生たちが、「事前学修授業」で想定した班目標の達成度について意見交換し、参加学生一人ひとりが今後の自学科での学びと関連づけ、「住み続けられるまちづくり」のために各自できることを言葉でまとめました。

 

本活動を通して実感したこと

山本講師:

SDGs目標11“包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する”「住み続けられるまちづくりを」への到達は、災害の多い我が国において、多くの国民が希望していると思います。

大学入学1年目のFSゆりあげからの学びは、「住み続けられるまちづくり」を自学科での学びと関連付けて考える動機となり、社会人となった際には、『世界の幸せをカタチにする。』行動の一つにつながると確信しています。

 

担当者

  • 看護学部 看護学科

    講師

    山本 摂子

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