都市生活でもできる環境活動とは?
都会キャンパスから人と自然を共に豊かにする!
有明キャンパス屋上での「養蜂活動」の取り組みについて

2022.03.28

工学部・工学研究科・環境学研究科環境システム学科数理工学科建築デザイン学科

  • 工学部 環境システム学科

    明石修

取り組みについて

工学部環境システム学科生が行っている有明キャンパス屋上での養蜂活動「Rooftop Bee」の取り組みについて紹介します。

環境システム学科では、学生が自ら見つけた課題に対して計画、行動し、実現するといった課題解決型授業「環境プロジェクト」を行っており、6つのラボを中心に環境問題に関する活動を学生主体で実施しています。(※2021年度時点)

その一つである『U.P.Lab』(Urban Permaculture Lab)は、明石 修 准教授と学生32人がアーバンパーマカルチャー(都会で人と自然が共に豊かになる関係を持続可能な方法で築いていくこと)をテーマとして掲げ、環境問題やアーバンパーマカルチャーについて多くの人に広めることを目的に、ミツバチの生態観察や保護、養蜂活動、無農薬野菜の栽培等の活動を行っています。

 

U.P.Labの様子

 

養蜂活動チーム「Rooftop Bee」は2年生4名、3年生4名の計8名(2022年2月現在)が有明キャンパス屋上での養蜂活動を通して、ミツバチの保護及び生態系の重要性・環境問題における都市の役割やその可能性について発信しています。

 

Rooftop Beeが養蜂するミツバチ

 

同じ屋上で同ラボの別チームが無農薬野菜の栽培も行う

 

取り組みの経緯

2013年に生態系保全に関心のある4名の学生のグループが、都会で出来る生態系保全のアクションを起こそうと考えたことがきっかけです。

はじめは、公園のリスの保全なども考えたのですが、より広く生態系を保全するために何ができるか調べていくうちに、花粉を媒介して植物の受粉を助けるミツバチを育てるのが良いのではないかということに気が付きました。その後、養蜂家の活動見学や勉強会などを重ね、養蜂技術を自分たちで学び、学内で養蜂をおこなうための企画書を作成し、2014年6月に養蜂活動を開始しました。

養蜂は都市のような人工的環境では難しいと思われがちですが、実は都市は蜜源となる街路樹が多くあり養蜂に適した環境です。埋立地である有明、さらには大学キャンパスの屋上という環境で順調に活動を続けています。

 

屋上で活動している様子

 

夏には草が生い茂るため、学生が伐採作業も行う

 

取り組み内容について

屋上に設置した巣箱でミツバチの飼育をしています。例年5月~7月に採蜜し、商品化、また販売を通して、養蜂活動や環境問題についてのPR活動を行っています。

屋上に設置している巣箱

 

ミツバチの飼育

ミツバチが蜜を集めてくるのは、人間のためではなくその蜜でミツバチが生きていくためです。1年を通してミツバチが問題なく生育することで、私たちは蜜を採取し、その恩恵を受けることができます。

また、ミツバチが蜜を集めるための蜜源植物は、巣箱から約3~4kmの範囲になります。ミツバチが蜜を集めるために飛び回ることで、植物の受粉が進み周辺地域の植物が育まれ自然環境が豊かになります。

養蜂していくうちにミツバチへの愛着も湧き、ミツバチをみるたびにかわいいという声が聞かれた

 

基本は、週1回「内検」といわれる巣箱の点検とミツバチの世話が主な活動になります。内検ではミツバチに異常がないかを確認し、状況に応じて生育環境を整えます。

内検の様子

 

 

 

 

冬の時期、ミツバチは蜜を採集せず、巣箱の中で越冬します。巣箱を開けると気温が下がるため、巣箱は15度以上でなければ開けられません。内検では、蜜の代わりに糖液という砂糖水を与えてミツバチの生育をサポートします。また巣箱の重さが変わっていないかなど、1カ月に1~2回確かめます。その他の時間では、春に採蜜したはちみつを商品化する準備をします。

 

採蜜したはちみつの商品化

2021年は、約50kgのはちみつを採蜜できました。添加物、着色料、保存料、人工甘味料を一切使用しておらず、非加熱であるため、自然のままの栄養価の高いはちみつの味わいや香りが特徴です。

 

採取したはちみつは『やさしい革命』というブランドで、無印良品 東京有明や青山ファーマーズマーケットにて期間限定で販売しました。

『やさしい革命』 160g 1300円/100g 900円

 

 

無印良品での販売の様子

 

青山ファーマーズマーケットでの販売の様子

 

環境負荷を減らした、都会で生産できる地産地消の商品になっています。販売を通して、有明周辺に住んでいる方から「蜜源植物を植えました」などの声を聞いたり、次の販売予定について聞かれることもあり、この養蜂活動を通して環境問題に興味を持ってくださる方が少しずつ増えていると実感しています。

 

養蜂活動という取り組みを通して実感していること

明石 准教授:

都市養蜂はSDGsの掲げる持続可能な社会づくりにとても貢献できる活動だと感じています。自然生態系の保全だけでなく、地域づくりに活かしたり、持続可能なライフスタイルの提案などにつなげることができます。今後も、環境と社会の持続可能性を高める活動としてプロジェクトを展開していきたいと思います。

学生:矢田 萌子さん

人間が暮らしていけるのは、やはり自然が酸素を作ってくれたり微生物がいてくれたり、さまざまな動植物から恩恵を受けているからだと思います。養蜂活動を通して生態系や生物保護について興味が深まり、今後はさまざまな生物を保護する仕事や活動に携わっていけたらと思っています。

学生:松葉 実優さん

環境問題も何も結果が得られないまま続けていくのは、持続可能的でないように思っていました。Rooftop beeの活動で地産地消の事例に取り組んでいることを知って、作ったはちみつを買ってもらうだけでも一歩前に進むことができると思いました。この活動を通して、環境問題を自分事化でき、ゴミの分別など日常生活でも問題意識を持てるようになりました。

学生:須藤 蓮さん

養蜂活動を通して、はちみつを採取したり、地産地消の商品としてお店で販売するなど、貴重な経験ができました。はちみつの商品化の場面では、人手が必要なこともわかりました。今後は、社会福祉と養蜂活動とをつなげて、障がいのある方の就労支援としても養蜂活動をもっと広めていけたらと考えています。

学生:福留 友希さん

ミツバチが都会でも生きていけることや、そもそも人間がミツバチから受けているさまざま恩恵について発信していきたいです。多くの人に知ってもらうことで、蜜源植物を植えるなどの行動を起こしてもらえたらいいなと思います。養蜂活動を通して、自然林が増えてそこでミツバチが元気に生活できればその周辺の自然が豊かになっていくことを学んだので、自然林をどのように増やしていけるかについて今後考えていきたいと思っています。

 

さいごに

■ メンバー紹介
仁科 初音、小笠原 七海、矢田 萌子、松葉 実優、須藤 蓮、福留 友希、長谷川 璃成、添田 玲菜

● 武蔵野大学 工学部環境システム学科 ホームページ:https://www.musashino-u.ac.jp/academics/faculty/engineering/environmental_systems_sciences/

● 武蔵野大学「環境/サステナビリティ|トピックス」:https://esg.musashino-u.ac.jp/archive/

● 武蔵野大学「環境/サステナビリティ|プロジェクト」:https://esg.musashino-u.ac.jp/pj/

 

担当者

  • 工学部 環境システム学科

    准教授

    明石修

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