「子ども食堂 おひさまキッチン」で子ども食堂・フードパントリーの活動 ~食事だけでなく子どもの「居場所」を作る~
2023.03.24
経営学部・経営学研究科経営学部経営学科教育学部・教育学研究科幼児教育学科
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事務局
武蔵野大学
取り組みについて
経営学部経営学科4年生 小湊 朱莉さん(写真左)、教育学部幼児教育学科4年生 五十嵐 千晴さんの取り組みを紹介します。2人は西東京市にある「子ども食堂 おひさまキッチン」で子ども食堂とフードパントリーの活動を行っています。多くの家庭の拠り所となっているこの場所で2人が取り組んだ子どもへの支援とは?
「子ども食堂 おひさまキッチン」を始めたきっかけと活動内容について
■ 始めた経緯
小湊さん:1年生の時に所属していた人間科学部社会福祉学科の基礎ゼミナールで、学外の福祉活動に参加し、活動内容を発表する機会がありました。参加する団体を探す中で「子ども食堂 おひさまキッチン」の活動を知り、興味を持ちました。自宅が近かったこともあり、ゼミ終了後も現在まで活動を続けています。
五十嵐さん:私が3年生の時、おひさまキッチンで活動していた幼児教育学科の先輩の卒業発表を聞く機会がありました。発表内で活動の紹介があり、幅広い年齢の子どもと関わることができる点に興味を持ちました。自分が保育士を目指す中でも良い経験になると考え、参加を決めました。
■ 活動内容
子ども食堂
毎週5回、平日(15:00~20:00)に実施しており、子ども(中学生以下)は10円、大人(高校生以上)は300円で夕食を食べることができます。「子どもが1人で夕食を食べる機会(孤食)を減らすこと」を目的に活動しており、学生スタッフは主に調理の補助や配膳、片付け等を担当しています。席数が少ない中、多い時には100人ほどの子どもが集まるため、回転率なども意識しながら活動を行っています。
フードパントリー
月に2回、第2・第4日曜日(11:00~14:00)に実施しています。①児童扶養手当受給者 ②0歳~15歳の児童を扶養している家庭 ③西東京市在住 の全てに該当する方を対象に、冷凍食品やパンなどの手軽に食べられる物を無償で提供しています。毎月約30組の家庭が訪れます。学生スタッフは食材の陳列や片付け等を担当しています。
■活動を行った感想
小湊さん: 参加以前は子ども食堂について、本当に支援を必要としてる子どもが利用する場所という暗いイメージを持っていました。しかし、実際は様々な家庭の子どもが来て食事をしていることが分かりました。子どもたちが笑顔で夕食を食べている姿を見ると、とても嬉しく思います。また、保護者の方とお話をする機会も多く、幅広い方とコミュニケーションをとることは自分の成長にも繋がりました。
五十嵐さん:参加前、授業で食事における貧困や孤食の問題について学んでいたため、こども食堂は様々な事情を抱えた子どもがいる場所だと思っていました。しかし、「おひさまキッチン」はそのような事情の有無に関わらず、子どもや保護者同士が地域を超えて活発に交流する場になっています。コロナ禍で人との繋がりが希薄になっていることもあり、食事をすること以外にも価値のある場所だと思いました。
「居場所」としての子ども食堂
小湊さん:活動の中で気づいたことは、施設には単に貧困のために利用する利用者だけでなく、「居場所」を求めてやってくる利用者の方々が多くいることです。夕方に一人で来て閉店時間まで居る子や、赤ちゃんを連れて食べにくるお母さんなど、一見支援を必要としていないように見えて、実際は支援を求めている方も多くいます。また、フードパントリーに来る家庭の中には、スマートフォンなどのインターネットに接続できる機器を持っていない家庭もあります。施設の紹介を主にインターネットやSNSで行っているため、本当の貧困家庭には情報が届いていないことも分かりました。
五十嵐さん:遅くまで残っている子どもに「早く帰らなくていいの?」と聞いたときに「お家に帰っても誰もいないから」と言う子がいて、子どもには金銭面に限らず精神的な貧困があることを実感しました。「おひさまキッチン」では誰かと一緒に夕食を食べ、話をすることができます。それが子どもの心の寂しさを軽減していると気づきました。また、施設には自分が使用した食器は自分で洗うというルールがあります。ただ食事を提供するだけでなく、生きていく上で必要なことも伝えられる場になっていることが分かりました。
子どもへの支援として今後取り組んでいきたいこと
小湊さん:今後の目標として、子ども食堂を利用者の「心の拠り所」になる場所にしたいと考えています。多くの子どもは一見、支援を必要としているように見えません。しかし、実は金銭面や精神面などあらゆる貧困を抱えており、支援が必要なケースも多々あります。そのような子どもにとって、少しでも利用しやすく、馴染みのある場所にしていきたいです。また、私は以前クラウドファンディングの支援者を募るためにラジオ局での公開収録に参加したことがあります。その際は目標金額の500万円を達成することができました。この経験から、より多くの人に活動を知ってもらうためにはインターネットに加えてラジオや紙媒体などでも活動を広めることが重要であると考えており、今後も協力していきたいと思っています。
五十嵐さん:私は4月から保育士として保育園に就職する予定です。おひさまキッチンで出会ったような「一人で食事をとらなければならない状況にいる子ども」は保育の場にもいるかもしれません。子ども食堂での活動を通してこれらを学んだからこそ、園での食事の時間を大切に考え、丁寧に関わっていきたいと思っています。
■関連リンク
子ども食堂おひさまキッチン:http://ohisama-kitchen.com/
子ども食堂おひさまキッチン インスタグラム:https://www.instagram.com/ohisamakitchen2018/
子ども食堂おひさまキッチン フェイスブック:https://www.facebook.com/ohisamakitchen2018/
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