江東区「多世代交流の里 砂町よっちゃん家」での学習支援活動
~『多文化共生の地域づくりを行う』プロジェクト~
2021.03.10
グローバル学部・言語文化研究科日本語コミュニケーション学科
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グローバル学部 日本語コミュニケーション学科
神吉 宇一
取り組みについて
この取り組みは、グローバル学部日本語コミュニケーション学科の学生4名が他大学の学生や地域の住民と協力して、東京都江東区にある「多世代交流の里 砂町よっちゃん家」で実施している活動です。
貧困等で塾に行けない、学校に居場所のない子どもたち(対象:小学生~高校生 )に対する学習支援活動を行い、子どもたちの進学や社会参加の可能性を広げることを目的に2020年7月末から活動しています(通常:毎週土曜日に活動)。
取り組むまでの経緯
2019年12月頃、学生たちがゼミの『多文化共生の地域づくりを行う』プロジェクトの企画を考え始めました。江戸川区に外国籍住民が多いことや、江戸川区在住学生がゼミ内にいたことから江戸川区を対象に多文化共生に関するセミナーを開催し、地域住民の意識啓発につなげることを検討しましたが、協力団体等のツテがなく頓挫してしまいました。その頃、ゼミの別プロジェクトで、江東区における障がい者アートの市民芸術祭『アートパラ深川』の実行委員として活動しており、アートパラを一緒に支援している地域の方から、砂町よっちゃん家の学習支援で学生に関わってもらえないだろうかという相談を受け、多文化共生の観点から学習支援に携わることにしました。ゼミでは、2019年度から外国ルーツの子どもたちに対する学習支援に取り組んでおり、そのノウハウも活かす形で、本プロジェクトをスタートすることになりました。
取り組み内容について
貧困等で塾に行けない、学校に居場所のない子どもたち(対象:小学生~高校生)に対する学習支援活動を行なっています。特に学生たちが取り組んでいるのは、子どもたちが教室に来て学習を開始するまでの間のチェックイン、アイスブレイクなどの活動です。本取り組みを始めた当初は、子どもたちも緊張をしていて笑顔が少なかったため、毎回、ことばを使ったゲーム的活動を行なってから学習支援を開始するようにしました。結果、このゲームを通してコミュニケーションが活性化し、笑顔が増え、子どもたちがリラックスして学習に取り組めるようになりました。また学習支援の時間でも、子どもたちがやりたいことについて、積極的に意思表示をするようになり、子どもたち自身がクリスマスなど教室のイベント企画を行うようになりました。
本取り組みは常に子どもたちの反応や学生同士やスタッフとのふりかえりを重視し、活動を改善していくことを意識的に行なっています。学生たちの経験を通して、子どもたちの学ぶ力を伸ばすことにも寄与していると感じます。
「4.質の高い教育をみんなに」というSDGsの目標に対して、本取り組み活動を通しての得たこと・今後の展開
学生たちは当初、 質の高い教育を行うためには、子どもたち自身が主体的に学習に取り組むことが重要だと考えていました。しかし、これまでの取り組みを通して、何らかの支援が必要な子どもたちは、全体的に自己肯定感が低いということに学生たちが気づきはじめました。そこで、まずは子どもたち自身が達成感を得ることで自己肯定感を高め、学習に自律的に取り組んでいけるようにしました。当初に比べて、子どもたちの学習意欲がずいぶんと出てきたと感じています。今後は英語のみならず外国語に触れる異文化交流や、普段扱うことの少ない楽器に触れる機会をつくるなど、子どもたちが家庭では経験できない体験を創り、子どもたち自身のさまざまな経験値とともに自己肯定感をさらに高めていくことを考えています。
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